飲み水の確保-サバイバル
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人間が生きていくために必ず必要で、無いと命にかかわるのは飲み水です。
私達の体は一日に約2Lの水分を必要とします。
単純に2Lといっても、普段はあまり感じる事は無いと思いますが、いざ何もない状況になった時に大切なことなんです。
そして、この水分量は食物等から摂取する水分とは別に必要な量とされています。
私達は、普通に生活しているだけで約2Lの水分を失っているのです。
人間が一日に普通の状態で必要な水の量は「体重kg÷30=必要水量L」といわれています。
体重60Kgの人だと2Lの水が必要ということです。
そして、食事として摂取する水も含めると約3L必要とされています。
通常、人間は水の無い状態で生き延びるのは3日が限度といわれています。
飲み水を作る
私達が、水道水の無い状態に置かれたときに飲み水を作る方法を紹介します。
濾過方法で除去できる物が違い、得意な分野と不得意な分野があります。
最初に布で濾す
まずは基本中の基本、何でもいいので手持ちの布でその場にある水を濾します。
布で濾すことで得られる効果は目に見える位の大きさのごみ等の不純物の除去です。
飲み水には程遠いですが、最初の作業として必ず行う事で後の浄化処理の効率を良くします。
基本的に飲み水に必要な安全面への貢献は無いに等しいのでどんな布でも構いません。
あくまで、水の浄化を補助するための基本作業です。
簡単炭濾過装置
小石と炭と砂を使って簡易濾過装置を作る方法を紹介します。
いざという時に簡単に炭による濾過をしたい場合の濾過装置なので、容器等はその場面に合わせて自分で調達し、ろ過装置を作りましょう。
ポイントは小さな水の出口と炭の量で、炭の部分に十分な時間水が滞在することで炭の吸着濾過が発揮されます。
- ペットボトルの蓋に小さな穴を開ける
- ペットボトルの底を切り底から小石や砂を入れられるようにする
- ペットボトルに小さな穴を開けた蓋を付けて逆さまに置く
- 最初に小石を入れる
- 砂を少量入れる
- 木炭を入れる
- 砂を入れる
◎小石→砂→炭→砂(小石で詰まりを防ぎ砂で炭を安定させる)
1.ペットボトルの蓋に小さな穴(3m位)をあけるのは、水の通りを悪くするためで、水が早く落ちすぎると濾過が上手くいきません。
蓋が無い場合は飲み口から落ちない程度の石を最初に入れます。(水の通りは良くなるのであまり濾過されず、何度も濾過を繰り返すことで水は澄んできますが炭による濾過効果が弱くなります。)
2.ペットボトルの底は内容物と水が入れられれば良いので適当で大丈夫です。
4.最初に入れる小石は水の出口を詰まらせないためなので適当に。
5.次に入れる砂は炭が流れ出さないための押さえなので少量で。
6.炭は出来るだけ隙間なく大量に(この部分で濾過能力が決まる)入れて下さい。
7.砂は炭の前にある程度不純物を取り除くことと炭を舞い上がらせずに押さえるためです。
不純物を取り除く効果も期待しているためある程度の量を入れましょう。
有効除去内容
- 原虫・細菌・ウィルスは除去できません。
- 重金属や薬品類は除去できません。
- 水の濁りはある程度除去できます。
- 臭いや味覚・色の成分は活性炭の効果でかなりの期待ができます。
この方法で濾過したものを煮沸消毒することで、ある程度美味しい安全な水が飲めます。
1.携帯浄水器で水を濾過する
市販の携帯浄水器での浄水は濾過による浄水です。
携帯用浄水器の中で一番人気で信頼を受けているのがこのスーパーデリオスで緊急用に確かな信頼を得ています。
この手の濾過方法は中空被膜と活性炭の併用です。
有効除去内容
- 原虫や微生物はほぼ完ぺきに除去できますが、ウィルス類は微妙です。
- 重金属や薬品等の除去は多少の効果があります。
- 水の濁りは中空被膜の作用で除去できます。
- 臭いや味覚・色の成分は活性炭の効果でかなりの期待ができます。
2.薬品で消毒する
浄水タブレットでの浄水は、薬品による殺菌による浄水です。
錠剤の内容は、水道水の浄水と同等で塩素による殺菌錠剤です。
1Lの水に一錠入れることで30分で水を殺菌します。
簡単で使いやすいタブレットです。
他にも粉末や液状の物もあり、どちらもまだ一般の緊急用としてはサイズがこなれていませんが、液体では多少使用を考えられるサイズがあります。
価格も手頃で大量の水を使用する場合は使いやすいのでしょうが、緊急用飲料水となると、有効塩素濃度である0.1~1ppmにするためには何万~何十万倍程度に薄める必要があるのが難点です。
塩素系なので蒸発も激しいことから、避難所や固定された場所での大量の飲料水確保の場合に有効です。
次亜塩素酸ナトリウムの希釈方法
原液の塩素濃度(パーセント)×10000が塩素濃度になります。
濃度の単位はppmで表します。
水道水の有効塩素濃度は0.1~1ppmで、0.1ppmあれば、飲料水としての滅菌基準を満たしています。
塩素濃度の最低値の0.1ppmを確保することが求められており、実際に私達が飲んでいる水道水は0.3~0.6ppm位だと思われます。
ケンミックス以外の商品の塩素濃度は6~12パーセント位です。
ケンミックス4の場合、4パーセントですから、40000ppmということになります。
単純に4万倍に薄めると1ppmとなります。
希釈の倍率が高いことから05ppmあたりを指標にするとして、8万倍に薄めることになります。(非常時なので1ppmを指標でも良いと思います。)
一度に希釈するには数字が大きすぎるので分割しましょう。
ケンミックス4の場合の緊急時飲み水計算
- 5mlを1000ml(正確には995ml)で希釈(200倍希釈)
- 塩分濃度200ppm
- 希釈液5mlを1000ml(正確には995ml)で希釈(4万倍希釈)
- 塩分濃度1ppm
- 希釈液を半分に割る(8万倍希釈)
- 塩素濃度0.5ppmの飲み水の出来上がり。
2段階に分ける事でかなり希釈が楽になります。
小さじ一杯か一般的なペットボトルの蓋が5mlです。
塩分濃度は希釈倍率が大きいので精度が心配になるかもしれませんが、実際に10ppm程度になってしまっていたとしても、非常時に何日間か飲む程度でしたら全然平気なレベルなので安心して下さい。(多少カルキ臭いかもですが。)
有効除去内容
- ほとんどの原虫と細菌・ウィルスを完全に除去できます。
- 重金属や薬品類は除去できません。
- 水の濁りは除去できません。
- 臭いや味覚・色の成分は除去できません。
3.煮沸消毒
火がある状態であれば、蒸留の次に確実に水を飲める状態に出来るのが煮沸消毒です。
水を沸騰させることで菌を殺す消毒方法です。
濾過や薬剤による消毒よりも確実に原虫・細菌・ウィルスを除去できます。
キャンティーン水筒を使用すれば煮沸消毒用の鍋が水筒にセットされているのでいざという時の水の確保ができます。
キャンティーンについて詳しくはキャンティーンカップと水筒でキャンプや緊急時にを参照してください。
水の煮沸消毒の方法
水を煮沸消毒する場合は、鍋等に水を入れ5分間沸騰させれば完了です。
鍋に気泡が付き気泡が上がってくる時の温度が約90度、ぐつぐつと煮立った沸騰状態が100度です。
有効除去内容
- 原虫・細菌・ウィルスを完全に除去できます。
- 重金属類や薬品類は除去できません。
- 水の濁りは除去できません。
- 臭いや味覚・色の成分は除去できません。
煮沸消毒は味はともかく安全に飲める水を手に入れる一番の方法です。
4.蒸留
蒸留は最も安全な水を確保する手段ですが、装置が大型化してしまう事や長時間を要するので効率が悪く非常時向きではありません。
海水から飲み水を作る場合は蒸留に頼るしかないのが現状です。
蒸留の方法
ここでは蒸留の原理を紹介します。
水を沸騰させ、蒸発した水蒸気を集めて冷却し飲み水にする
- 水を沸騰させることで水蒸気を大量に作る
- 出来るだけ水蒸気を逃がさないように集める
- 水蒸気を冷やすことで水の状態に戻す
有効除去内容
- 原虫・細菌・ウィルスを完全に除去できます。
- 重金属類は完全に除去で薬品類もほとんど除去できます。
- 水の濁りも除去できます
- 味覚・色の成分は完全に除去でき、臭いの成分もほとんど除去できます。
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