貴方は、ライターの無い状態から火種を作り、火を起こすことができますか?
もしも、ガス・水道・電気の無い状態になった時に火を起こせないということは、水の確保すらままならない状態になりかねません。
でも、貴方が火を起こすテクニックを持っていたら、空き缶でも何でも鍋になる物を調達し川や水溜りの水を煮沸消毒し飲み水を確保することができます。
川の魚や小動物を捕まえても、焼くなどの処理をしないと人間は食べられません。
飲み水を確保するためにも、食料を確保するためにも火を起こすテクニックが必要になってきます。
火が起こせる物
まず最初に何から火を作ることが出来るのかを知っておきましょう。
- 木の棒と木の板
- レンズ
- ペットボトルと水
- ビニール袋と水
- ラップと水
- 乾電池とスチールウール
- 乾電池と銀紙
- 懐中電灯の反射板
- 炭素剛の刃物などと高度の高い石
木の棒と木の板
これは、回転させ摩擦を起こすための棒と受けになる板を使って火を起こします。
または、受けの板に溝を作って置き、スライドさせる方法もあります。
基本、棒は固い木を、受け板は柔らかいスギやヒノキを使用します。
実際に実行するにはかなりの慣れと適した木材を選別する能力が必要なので見よう見まねで出来るものではないので現実的ではないです。
集光による火起こし
虫眼鏡のようなレンズを使用すれば太陽光が十分にあれば火を起こすことが出来ます。
眼鏡のレンズは集光レンズを使用していないので使えません。
ペットボトルや袋、ラップに水を入れてレンズの代わりにしても火を起こせますが太陽光が強い時期でないと難しいです。
懐中電灯の反射板部分の電球がある部分に火種になる物を置き、太陽に向ける事で火起こしが出来ますが、最近LED多灯タイプが流行っていて・・・
電池による火起こし
乾電池や車のバッテリーの+極と-極にスチールウールを付けるとスチールウールが発火して火を起こすことが出来ます。
ですが、アウトドアフィールドや災害時にライターも持っていない人が乾電池とスチールウールを持っている状況が想像しにくいですね。
電池にガムの包み紙である銀紙を細く切り、中心部をより細くしておくとその部分から発火しますが最近のガムはタブレット状がおおいです。
炭素剛と硬度の高い石
もし貴方の使用しているナイフがステンレス剛でなく炭素剛であれば、硬い石とぶつけ合う事で火花を発生させ火起こしすることが出来ます。
ファイヤースターター
マグネシウムの棒を金属片(ストライカー)で擦ることで火花を発生させるもので、適切な火口を使用すれば簡単に火を起こせます。
選ぶときはマグネシウム棒が大きい事は勿論ですが、ストライカーがシッカリした大きさがある物が使いやすいです。
使い方は色々書かれていますが、右手でマグネシウム棒を持ち火口にシッカリ固定させストライカーをマグネシウム棒の上に左手で押さえつけて、右手の親指でストライカーを押し出してやると簡単に大きな火花が出せるうえに正確に火口に火花を送れるので着火が楽です。(私は左利きなので逆ですが)
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焚火の仕組み
火を燃やすということは、燃焼物と空気が化学反応を起こすことです。
焚火の場合、薪と酸素が化学反応で二酸化炭素・窒素・水・熱を発生します。
薪に十分な酸素と熱を加えると可燃性ガスが発生して燃え上がり、ガスの発生が終わると薪自体が炭として燃え出し、この状態が熾火で、最後には灰しか残りません。
空気の供給が不足したり、薪の乾燥が足りなかったりすると不完全燃焼を起こし黒煙が発生します。
火=可燃物+酸素+熱
焚火をするときにいきなり大きな薪を燃やそうとしても燃えてくれません。
燃焼物にはその物ごとに発火点というものがあり、熱量が発火点に達すると燃焼します。
薪を燃やすためには十分な空気と発火させるための熱量が必要です。
小さな炎であぶっても大きな薪は燃えてくれません。
薪を燃やすために十分な熱量が加わった時にはじめて大きな薪が発火します。
この状態を作らないと、一見燃えたように見えてもすぐに消えてしまいます。
なので火口→小枝等→細い薪→薪という連鎖で熱量を確保してあげる事が焚火成功の秘訣です。
火口(ほくち)
何で火を起こすにしても、一番重要なのは火を大きくするための火口です。
木の摩擦で火種をつくるにしても集光で火種を作るにしてもその火種を炎に変えなくては使えません。
火種を火口に移し、空気を送り込むことで炎となるのですが、空気は表面に作用するので、その時に空気を取り込めるように出来るだけ細かくすることで火付が良くなります。
- 麻紐
- パラコード(ファイヤーコード)
- 新聞紙
- 枯葉
麻紐
麻紐は値段も安く、購入するにしても安上がりで、垣根などに使用されている可能性が高いので見つけるのも容易です。
そんな麻紐ですが、ほぐして火口にすると抜群に火付がいいので火口としては最高です。
パラコード(ファイヤーコード)
パラコードとはパラシュートコードの略でパラシュートのラインとして使われていた強度の強いコードです。
一般的なパラコードは約4mm径の550パラコードと呼ばれるものです。
素材はナイロンで出来ていて、(最近、中国製と思われるポリエステル素材の物もあり)丈夫で柔らかくテントの張り綱やロープとして使えます。
550の意味は、耐荷重550lbs(約250kg)という事です。
強度が強いのでアウトドアでは人気があります。
ここで紹介するのはパラコードの中でもファイヤーコードと呼ばれるものです。
一見普通のパラコードですが、中の白いナイロン芯に一本赤い芯があり、それが火種として使えます。
ファイヤーコードを5cm~10cm程切り、中の赤い芯を抜くとライター等で火をつけることが出来、赤い芯をナイフ等でほぐせば火花でも着火できます。
価格が高い(パラコードの8倍位)ので私は使いませんが、火口としては長く燃えてくれ防水性もあるので濡れても使えるので頼りになります。
新聞紙
新聞紙は手軽に入手できる火起こし用品としては最強ではないでしょうか。
火口用にもなりますが、炭にまで火を起こせる実力があります。
枯葉
枯葉は準備しておかなくても、手に入れやすいのでお馴染みですよね。
枯葉を手で潰して細かくすると火口として十分に使えます。
薪の種類
炊き付け用
スギやヒノキ等の針葉樹は火持ちが悪いですが燃えやすく炊き付け用として使います。
スギやヒノキを使用した場合は、あまりにも火付が良いので焚火は簡単だと勘違いしがちです。
この焚き火で料理をすると、鍋の底は煤どころかタールでベトベトなんてことにもなりかねません。
焚き火用
ナラ・カシ・ブナ・クヌギ等の広葉樹は火付は悪いですが火持ちが良く煤の発生も少ないので焚火の薪としては最適です。
火付は悪いので、火口→小枝等→細い薪→薪の連鎖を忘れずに。