私の所属していたアウトドアサークルは、キャンプ地として近くに川が流れている場所を好みます。
1つは、魚釣りで食料を確保できることで、一番大きな理由でした。
そしてもう1つ、カヌーで川下りができるからです。
高校の修学旅行でも「ラフティング」を体験したことがありましたが、大人数で乗り込むのとは違ってカヌーは1~2人で乗り込むため、別物であるという説明を受けました。
そのため、キャンプでカヌーに乗る経験が出来ることが楽しみでした。
直近の数週間、大雨は降っていなかったので川の流れも水量も問題なく、予定通りカヌーを楽しむことができました。
カヌーは、キャンプ場でレンタルすることができました。
サークルでも所有していましたが、かさばるため持ってこれなかったのと、1つしかないため全員で楽しめなかったので持って来ず、キャンプ場で貸し出しているものを借りることにしました。
最近では、折りたためるフレームに布を被せるタイプの、持ち運べるものもあるそうですが、当時はあったのかは分かりません。
それを知った時には、「どうやってあんなデカイものを持ち運べるようにしたんだ?」と思い、つい調べてしまったほどです。
ともかくカヌーを借り受け、一通りのレクチャーを受けてから2人1組で乗り込みました。
乗り込む段階でさっそく転覆してしまった不器用なメンバーもいました。
カヌーはひっくり返り、2人ともずぶ濡れになっていました。
「なんでそこで濡れるかなぁ」と、残りのメンバーは皆笑っていました。
転覆したメンバーも無事に乗り込み、全員で川に繰り出しました。
「初心者でも安心して使える」ということを説明されていましたが、さすがに思うように進みません。
なんとか息を合わせて漕ぎ出し、ようやくそれなりに思い通りに進めるようになりました。
しばらくはそのまま練習も兼ねて自由にカヌーを漕いでいました。
何度か岸に乗り上げてしまいそうになった時もありましたが、最初の転覆事故以来、目立ったアクシデントも無く、皆徐々に上達していきました。
全員がある程度自由にカヌーを漕げるようになった頃、全員でレースをすることになりました。
ある程度上流まで行って、そこからキャンプ地までの競争をしました。
一番遅かったメンバーが、帰りの車の運転を担当することになりました。
偶然にも、どの組も2人のどちらかは免許を持っていたのでちょうど良かったです(2人とも車を運転できなかったら意味無いですから)。
私のカヌーに入っていた石ころを放り投げ、川に落ちたらスタートの合図としました。
「ポチャン」という音と共に全員のカヌーが進み始めました。
私たちは若干スタートが遅れてしまいましたが、結局、負けたのは不器用な例の2人組みでした。
以後も、カヌーが借りられるキャンプ場では「帰りの運転担当決めレース」をするようになりました。
ちなみに、私は負けたことがありませんでしたが、1着も取れたことはありません。