キャンプ場を決めるのは大抵の場合は持ち回りで、かといって順番というわけでもありませんでした。
つまり、適当ですね。
時々、どうしてもここに行きたいと主張することもあります。
そんな時は2~3連続で同じ人がキャンプ地を決めることもあります。
ある年の夏、キャンプ地を決めるにあたって誰が決めるかをまず話し合っていましたが、メンバーの一人が「どうしてもここに行きたい」と言って地図を広げました。
山の麓付近にあるキャンプ地を指していました。「何かパンフレットなり、資料は無いのか?」と聞くと、「無いよ、マイナーなところだから」と、キッパリと言い放ちました。
「なんでそんなところに行きたいわけ?」と聞いても「それは着いてみてのお楽しみ」としか答えませんでした。
いざ、キャンプ地に着くと、設備の類は見当たらず、本当にキャンプ場なのかと疑ってしまうほどに荒れ放題な場所でした。
見た目には特に特徴もなく、確かにこれではメジャーにならないのも無理はないなと思いました。
近くにも小さな町があるだけで、何か不足したらそこまで買い出しに行かなくてはなりませんでした。
今回は帰るまで特に不足するものはなかったので良かったですが。
辺りが暗くなった頃、私たちはバーベキューを楽しんでいました。
近くに川が無かったので、今回は持ち込んだ肉などを焼いて食べました。
釣りができないのを残念に思っていると、このキャンプ地を決めた彼が「それ以上の感動を味わえるさ」と言ってきました。
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感動もなにも、あとは寝るだけでは?と思っていると、南の空を見るように言ってきました。
なんだろうと空を見上げても、星が綺麗なだけで、そこまで感動的とは言えませんでした。
すると突然、夜空に花火が上がりました。
それもそれなりの規模の花火が何発も上がっていました。
キャンプ場近くの町で毎年行われている花火大会のようです。
彼のお父さんがこの近くの出身だったようで、この花火大会とキャンプ場の話を聞いたんだそうです。
これを見るためにわざわざこのキャンプ場を選んだのだそうです。
しかも、かなりの穴場スポットだったようで、私たち以外誰もいません。
ロケーションは最高でした。
今でもそのキャンプ場はあまり知られていないようで、数年後にはもう一度このキャンプ場からの花火を楽しむことができました。