大人数でキャンプに行く時は、大抵の場合は大きい鍋を持っていきます。
主にカレーを作りますが、シチューなども作ります。
ある事件が起きた時も、確かメニューはシチューだったはずです。
大人数での食事ですから、鍋もキャンプ用というよりも、業務用とも呼べるような大きさでした。
持ち運びも中々に苦労します。
いつ買ったものかは知りません。
サークルで購入したものらしく、代々使っているそうです。
キャンプ地に着いて、調理の準備をしようとしたところで事件は起きました。
鍋はもともと一人で運べるサイズではなかったので、二人がかりで運ぶことにしています。
中に食材や他の道具を入れて持ち運びます、そのため、不便さはありませんでした。
鍋の中に必要なものを入れて持ち上げようとしたとき、衝撃とともに「バキッ」という音がして鍋が傾きました。
私とは反対側の持ち手が壊れてしまったのです。
中にはそこまで重いものを入れていたわけではなかったのですが、どうやら長年使ってきたためにガタが来てしまったようです。
とりあえず、中に入れていた荷物を取り出して運んでおき、持ちにくいながらも鍋は何とか運びました。
予備の鍋を持って行っていなかったので、このままでは料理が作れないと考えましたが、結局その鍋でシチューを作ることにしました。
いつもはカレーなどを煮込んだあとに食事の場所まで鍋を運んでから食べます。
しかし、このままシチューを作っても持ち運べません。
この日は鍋でシチューを作り、その場でよそって食事の場所まで運びました。
食べ終わったあと、完全に鍋が冷えたのを確認してから抱き上げるようにして持ち上げて運び、洗いました。
さすがにそれ以降その鍋は使っていませんが、捨てるのももったいないので今でもサークルの部室に飾ってあります。
余談ですが、外れてしまった取っ手は鍋の中に入れてあるのですが、キャンプの時にはその取っ手だけ持っていきます。
お守り代わりのようなものです。
実際にご利益はあるようで、キャンプで道に迷った時にその取っ手が荷物から落ち、それを追いかけると正規の道に出られたという話です。